海底光ケーブル、北大東島へ 那覇で工事の安全祈願 来年3月完了予定


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敷設船「きずな」から海底に設置する光ケーブルの中継器に記念で名前を書く宮城光正北大東村長=那覇市通堂町の那覇ふ頭

 沖縄県とNTT西日本沖縄支店(古江健太郎支店長)は14日、県内都市部と同程度のインターネット通信環境の確保に向けて、沖縄本島と北大東村間に海底光ケーブルを敷設する「大東地区情報通信基盤整備工事」事業の安全祈願祭を那覇ふ頭で開催した。

 出席者は港に接岸したケーブル敷設船「きずな」内を見学。きずなが2週間かけて、北大東村と本島南部の約410キロの海底に光ケーブルを設置する。海底の最深部は約6600メートルに至るという。両岸の陸上工事も合わせて来年3月までに工事を完了する予定だ。

 北大東村は役場がある島としては県内自治体で唯一、光ケーブルが未接続の地域。これまで村民は、既に海底光ケーブルが整備されている南大東村の基地局から無線中継でインターネットを利用していた。北大東村にもケーブルが敷設されれば、高速大容量の通信環境が実現する。

 総事業費は約49億5千万円。一括交付金を活用する。2019年度から調査事業を実施してきた。

 安全祈願祭で宮城光正北大東村長は「小さな島でも情報格差を無くし、子どもたちが帰ってこられるようにしたい」と期待を込めた。