米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設工事を巡り、愛知県警による東村高江周辺への機動隊派遣の違法性を問う住民訴訟で、派遣を決定する際の手続きに違法性があったと認定した名古屋高裁判決を受け、全国の法律家有志が14日、愛知県の大村秀章知事に上告しないよう求める緊急要請書を提出した。上告期限は21日。全国の憲法学者や弁護士ら73人が賛同し、名を連ねた。
要請書は、当時の県警本部長が専決で派遣を決めたことを名古屋高裁が違法と判示したことを「警察の民主的管理の視点からは当然だ」と指摘。判決は「個人の権利と自由を保護すべき警察の役割を警察自身に再認識させる点でも重要な意義を持つ」と評価した。
原告の一人で、要請書を発案した名古屋学院大の飯島滋明教授(憲法学)は、短期間で多くの法律家の賛同が集まったことについて「市民に対する警察の暴力・違法行為は法律家として決して見逃すことはできないという意志だろう。この判決を確定させるべきだ」と述べた。
原告団は同日、上告断念を求める1900筆超の署名を集め、大村知事ら宛てで提出した。