<衆院選1区・紙上討論>コロナ対策、県内の争点について3氏はどう考える?


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 琉球新報社が実施した衆院選沖縄1区の立候補予定者紙上討論で、共産前職の赤嶺政賢氏(73)、自民前職の国場幸之助氏(48)、無所属前職の下地幹郎氏(60)が米軍基地問題への解決手法、新型コロナウイルス対策、経済再生策などについて意見を交わした。基地問題で対立軸が鮮明になったほか、クロス討論では、政治姿勢を問う質問が上がり、互いに厳しい指摘が相次いだ。2022年度以降の沖縄振興の在り方についても意見は分かれ、各立候補予定者が目指す沖縄の針路を示した。(文中敬称略、’21衆院選取材班)


【コロナ対策】

生活支援へ給付金 赤嶺氏
出口戦略を明確化 国場氏
観光軸に独自制度 下地氏

 

―新型コロナウイルス感染拡大防止策、経済活動回復への取り組みは。

 赤嶺 3回目を含むワクチン接種と一体で、PCR検査を誰でもいつでも何度でも無料で受けられるようにし、コロナを抑え込む。沖縄へ入域した人も国の責任による無料PCR検査で水際対策を徹底する。第6波に備え医療提供体制を確保し、医療機関の減収補塡(ほてん)、医療従事者の待遇改善に取り組む。暮らしを応援する一人10万円の給付金、持続化給付金や家賃支援給付金の再支給を行う。観光関連等業者への直接支援を行う。長期にわたる医療切り捨て政策を転換し、感染症病床や保健所の予算を倍増し、体制を再構築する。公立・公的病院の削減・統廃合を中止する。日米地位協定を抜本改定し、国内法を適用し、米軍関係者に対する検疫・規制を実施する。

 国場 新型コロナ対策は、大規模災害やテロ同様、緊急事態、有事であり、平時の体制の延長線で対応できるものではない。法律と補償に基づいた2週間程度の行動抑制、国内ワクチン・治療薬の開発や生産、濃厚接触者のITによる把握、ワクチン接種の加速化と3回目のワクチン接種も検討する。また、新型コロナからの出口戦略を明確に描く。接種証明書を有効に活用し、経済を段階的に動かす。規模に応じた事業者(固定費のみでなく、事業者の給与なども)への補償、感染が収まるまでの雇用調整助成金の延長、劣後ローンや債務返済の期間、据え置き期間の延長を進める。

 下地 空港でのゲートチェック、PCR検査の無料化で早期発見、陽性者すべてを完全療養施設で治療、24時間体制での若年者に対するワクチン接種を徹底する。また、ワクチンパスポートと同時に、ワクチン接種が困難な方々は、PCR検査を何度でも受けられる仕組みをつくってサポートする。経済は「Go Toトラベル事業」再開を徹底活用し、リーディング産業である観光業を軸として、経済効果を波及させる復活プランを策定する。飲食業界・宿泊・バス・タクシー・レンタカー・運転代行などにも県独自の割引制度を設けて、他県と差別化し、沖縄県への誘客を目指す。


【県内争点】

声届く政権つくる 赤嶺氏
希望ある振計策定 国場氏
結果を出す政治に 下地氏

 

―県内の争点は。

 赤嶺 県民いじめの自公政権を継続するのか、命と暮らしを守り、県民の声が届く新しい政権をつくるのかが最大の争点だ。政権交代で経済と雇用の回復、医療の立て直し、気候危機打開、ジェンダー平等に全力を挙げる。辺野古新基地建設を中止し、建白書を実現する。

 国場 県民の命と生活を守るための新型コロナウイルス対策と、県民の未来の生活をつくる希望あふれる次期沖縄振興計画の策定。

 下地 豊かな県民生活を取り戻し、大打撃を受けた沖縄経済の復活をどう行えるか。また、米軍基地問題においては、「辺野古賛成か反対か」といった“ワンイシュー”の在り方が問われることになるだろう。県民は、提案し、実行し、結果を出す政治を求めている。