進撃の北山、初の4強で終える エース知念、無念の降板後に本塁打 県高校野球秋季大会


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前原―北山 5回1死、左越え本塁打を放ち、ガッツポーズでベンチに応える北山の知念夢翔(ジャン松元撮影)

 高校野球の第71回県秋季大会第9日は17日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準決勝を行った。今大会初の延長戦となった興南と沖縄水産の一戦は、延長十四回に及ぶ接戦の末、興南が8―7でサヨナラ勝ちした。前原は投打がかみ合い北山に12―2の五回コールド勝ち。ここまで5試合すべてでコールド勝利を収め、49年ぶりの決勝進出を決めた。

 北山を4強に押し上げたエース知念夢翔は連投の疲れもあり、初回から前原打線に捕まった。

 「全部合わせられて投げる球種がなかった」。三回まで投げ抜き、無念の降板。四回からは遊撃手で出場した。

 悪い流れを断ち切ろうと五回の打席、初球で来た内角の変化球を引きつけフルスイング。打球は上空の追い風に乗り左翼スタンドへ。「打った瞬間分かった」と拳を掲げ、球場を悠々と駆け巡った。

 準々決勝まで一人で投げ、北山を初の4強に導いた。決勝進出はかなわなかったが「もっと下半身を鍛えて球の切れ、球威を上げていく」。冬の厳しい鍛錬を己に課し、春の大会で優勝を引き寄せる投手になって舞い戻ると誓った。