銅メダルの屋比久、3年後パリは「自分を超えて」金獲得に決意 沖縄への思いも


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 東京五輪レスリングのグレコローマンスタイル77キロ級で銅メダルを獲得した、屋比久翔平選手(26)への「琉球新報特別賞」の贈呈式が19日行われた。屋比久選手は「受賞を光栄に思う」と喜ぶと同時に、「次は金メダルを持って帰る」と話し、3年後のパリ五輪にかける強い意欲を示した。この日は競技人生をスタートさせた宜野湾市から市民栄誉賞の贈呈があり、母校の浦添工業高校も訪問した。各地で出迎えた人たちは、個人種目で県勢初となった五輪メダル獲得を祝福し、口々に「感動をありがとう」と感謝した。

琉球新報特別賞を授与された東京五輪レスリング銅メダリストの屋比久翔平選手(右)=19日、那覇市泉崎の琉球新報社

 「幼い頃、五輪選手を見て自分も金メダルを取りたいと思った。高ぶる気持ちや勇気をもらった」と語った屋比久選手(26)。19日、琉球新報社で開かれた贈呈式で、活躍するトップ選手に憧れた幼少期を振り返り、「子どもの時に感じていたことをコロナ禍の小学生に伝えられたら、競技者、オリンピアンとして役割を果たせたと思う」と述べた。銅メダル獲得のさらにその先を見据え「パリ五輪では一番輝く金メダルを取りに行きたい」と意欲をみせる。

 贈呈式では、出席者らが五輪個人種目での県勢初となったメダル獲得を祝福した。屋比久選手は「銅メダルを獲得できたことをうれしく思うが、競技を続けるからには一番になりたい。パリでは金メダルを取って良い報告ができるように頑張りたい」と今後の意気込みを語った。

 初めは表情を崩さなかった屋比久選手だが、臨席した父・保さん(58)が「私も新報に表彰されたことがあるが(琉球新報教育賞)、私のものより立派な賞だ」と話すと、笑顔を見せた。これまで五輪出場に向けて二人三脚で歩んできた保さんへの思いを語り、「五輪に父が出られなかったということで、一緒に頑張ってきた」とサポートに感謝した。

 沖縄には17日に帰省した。「メダルを持って来られたこともそうだが、一番はやっと沖縄に帰って来られたということがうれしい。(滞在期間は短いが)釣りがしたい」と地元・沖縄への思いも語り、場がなごんだ。

 トレーニングは既に再開しているという。「これまで五輪の舞台に立つことを目標にやってきた。銅メダルを獲得したが、次はこの銅を、自分を超えていく」と力を込めた。