芥川賞作家・大城立裕さんの企画展開幕 南米移民調査の音源初公開、直筆原稿も


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展示された大城立裕創作メモなどを見る来場者=20日、那覇市の県立図書館

 沖縄県立図書館の企画展「小説『ノロエステ鉄道』とブラジル・カンポグランデの沖縄県系人」が那覇市泉崎の同館4階交流ルームで始まった。11月8日まで。昨年亡くなった沖縄初の芥川賞作家・大城立裕さんが、1978年に県史料編集所長としてブラジルを訪れて県系1世にインタビューし、後に小説「ノロエステ鉄道」の創作へつながった音源を初公開した。

 展示は来年の「第7回世界のウチナーンチュ大会」のプレイベントに加え、大城さんの没後1年を機に企画した。大城さんの直筆原稿や創作メモの他、カンポグランデに移民した県系人らに関連した資料などを紹介している。

 20日に来場した具志堅正己さん(70)=那覇市=は「大城さんは方言で話す中で、普通なら話しづらい内容も引き出し、聞き取ることができたのではないか。さすがだ」と感心し、展示に見入っていた。

 企画展に関連した講演会「カンポグランデの沖縄県系人」が31日午前9時半から同館で開かれる。参加無料。定員は30人。ビデオ会議システム「Zoom」(ズーム)を活用しオンライン配信もする。いずれも事前の申し込みが必要。問い合わせは同館(電話)098(894)5858。