愛知県刈谷(かりや)東高校の折り紙部の生徒たちがこのほど、折り紙で首里城を再現した。朱色とシルバーのホイル折り紙をメインカラーに、横180センチ、縦90センチ、高さ70センチの光り輝くオリジナルの首里城を約1年かけて完成させた。同部の生徒たちは「悲しみは大きいと思うが、県外からも応援する気持ちがあることが伝わればうれしい」とエールを送っている。
同校折り紙部のことしの作品テーマは「祈り~復興」。約2年前に焼失した首里城の制作を希望する声が多く上がった。以前、折り紙で首里城を再現した日本折紙協会琉球支部の古堅幸江さんからデータをもらい、琉球新報社が発刊した写真集「甦(よみがえ)れ!首里城」を見ながら、制作に臨んだ。
屋根瓦はOBやOG、教員らに協力してもらい1万羽以上の鶴で表現した。担当した北川絢音さん(17)は「一切手抜きなし、大満足」と胸を張る。粘土で土台を作成し、パーツごとに折り紙で折る部分や貼り付ける部分を分けた。正面玄関部分を作った神尾若葉さん(18)も「完成形がない中で、試行錯誤しながら頑張った」と笑う。
制作した折り紙の首里城は外部向け作品発表会の後、同校図書館で展示されている。部長の杉山洋祐さん(18)は「テレビで燃える首里城を悲しそうに見詰める沖縄の人たちを見た。全くの現物再現ではないが、きらきら感いっぱいで表現したので、少しでも明るい気持ちになってくれたら」と思いを込めた。