琉球漆器職人の技でピアノを再生 40年以上保育園で使った1台に新たな命


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 琉球漆器の職人が、使われなくなったピアノに装飾を施して再生させる「琉球漆器ピアノプロジェクト」に取り組んでいる。琉球漆器の魅力をアピールし、後継者不足の解消や需要喚起を図る。那覇市制100周年記念事業補助金100万円を活用する。22日に同市牧志の市伝統工芸館で記者会見があった。

古いピアノ(手前)を職人の技で生まれ変わらせる作業に取り組む「琉球漆器ピアノプロジェクト」の(左から)上原昭男さん、後間義雄さん、伊集守輝さん、森長武一さん=22日、那覇市伝統工芸館

 1974年から2020年まで大道保育所(松川保育所)で使われていたピアノを修復し、漆を塗り直す。らでんなどで市花ブーゲンビレアや市のチョウ、オオゴマダラなどのデザインを施す。

 プロジェクトに取り組む職人はリーダーの上原昭男さん(76)と後間(こしま)義雄さん(73)、森長武一(たけいち)さん(68)、伊集守輝(もりき)さん(63)。今年4月から作業に入った。年内に完成させ、ピアノを使ってクリスマスコンサートを開きたい考え。来年、市内にストリートピアノとして設置する予定だ。

 上原さんは「業界は大変厳しい。琉球漆器の高度な技術を知ってもらい、ファンを増やしたい」と話した。資金の不足分はクラウドファンディングで募る。「琉球漆器ピアノプロジェクト」で検索できる。