49年ぶりの優勝に一歩届かなかった。前原は打線がつながらず持ち味の得点力が発揮できなかった。守りでは七つの失策。守備でリズムを崩したことも試合の流れに影響した。東亮監督は「そんなに悪くはなかったが、不安要素が出てしまった」と課題が明確になった試合となった。
九回までに10安打。決して打ち負けてはいなかった。しかし、なかなか進塁できず得点圏で一本が出なかった。興南の先発・平山航多の狙い球を絞らせない配球に手こずった。安打が出ても堅い守りに阻まれ走塁死するなど好機を広げられなかった。
主将の新里紹舜は「チャンスでヒットが出なかった。守備でも負けてしまった」と敗因を挙げる。興南の失策ゼロに対して前原は送球ミスなどが重なり、六回に大量10点を許し、勝負を決められた。
興南には守備から攻撃のリズムにつなげる形を見せつけられた。強みの得点力をさらに伸ばすためにも新里は「エラーをなくしたい。守備を生かしてバッティングにつなげる」と課題を見つめる。2週間後に迫る九州大会に向け「大差で負けた悔しさを晴らしたい」とチーム力の強化を目指す。
(謝花史哲)
沖縄市のコザしんきんスタジアムで23日に行われた第71回県高校野球秋季大会の決勝戦は、興南が前原に17―2の完勝で11年ぶりの頂点に立った。興南は5点リードで迎えた六回の攻撃、長短打で一気に畳みかけ打者一巡。10点を奪い勝負を決定づけた。準決勝まで全試合コールド勝ちで進んできた前原だったが、決勝は興南の隙のない守りに阻まれ逸機が目立ち、49年ぶりの優勝に届かなかった。