琉球新報社 
琉球新報社が実施した衆院選沖縄4区の立候補者紙上討論で、自民前職の西銘恒三郎氏（67）と立民新人の金城徹氏（68）は、先島への自衛隊配備計画や本島南部、離島の振興などを巡りそれぞれの政策を訴えた。クロス討論では、西銘氏が「オール沖縄」の態勢は革新勢力が主導していると指摘したのに対し、金城氏は自民党政権下で起きた政治と金を巡る問題について認識を問うなど、議論を交わした。（文中敬称略、’21衆院選取材班）
＜自衛隊配備＞
安全安心確保へ必要 西銘氏
住民説明果たすべき 金城氏
―先島の自衛隊配備について考え方を聞きたい。
西銘 国民県民の安全安心を確保する意味から、配備する必要がある。
金城 離島の災害支援や急患輸送など、自衛隊の活動に敬意を表している。宮古・八重山諸島に配備される部隊は、住民保護を行うものでなく、ミサイル部隊が中心だ。住宅地の近くに弾薬庫が設置されるなど、住民に不安が広がっている。政府はしっかり説明責任を果たすべきだ。住民合意のない自衛隊配備は容認できない。南西諸島を取り巻く安全保障環境を安定させるための外交努力が第一に必要だ。
＜普天間返還＞
辺野古が唯一の方策 西銘氏
全国に基地分散配置 金城氏
―米軍普天間飛行場の返還・移設問題の解決策と、在沖米軍基地の在り方は。
西銘 （名護市辺野古への移設は）普天間飛行場の全面返還を実現する唯一の方策と考える。SACO合意に基づき、在沖米軍基地の整理縮小を行うことだ。
金城 日米同盟は日本の防衛にとって重要。しかし、現実問題として国土面積0・6％の沖縄に米軍専用施設が約70％も存在していることは大きな課題だ。使われなくなった米軍施設は、返還の交渉テーブルに上げるべきだ。過重な基地負担を解消し、全国に分散配置し全国で均等に負担するべきだ。世界一危険な普天間飛行場は早期に閉鎖・返還し、辺野古新基地建設は認めない。遺骨が眠る南部地域の土砂を辺野古埋め立てに使う自民党政権の沖縄軽視は言語道断だ。米軍基地から派生する問題を解決するため、日米地位協定の抜本的改定が必要だ。県民の権利より、米軍の都合を優先する理不尽な状況は変えなければならない。
＜憲法改正＞
自衛隊位置付け必要 西銘氏
現行の平和主義堅持 金城氏
―憲法改正への立場、今後の改憲議論の在り方は。
西銘 自衛隊の位置付けについて改正する必要がある。
金城 現行憲法の平和主義を堅持すべきだ。恒久平和主義や豊かな人権条項など、県民の平和と人権、くらしを守る上で土台になるものだ。環境権など新たな課題については柔軟に議論したい。「万国津梁」の精神で、沖縄をアジアの平和・交流の拠点としていきた
