<衆院選4区・紙上討論>西銘氏と金城氏が互いに質問、その回答は?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 琉球新報社が実施した衆院選沖縄4区の立候補者紙上討論で、自民前職の西銘恒三郎氏(67)と立民新人の金城徹氏(68)は、先島への自衛隊配備計画や本島南部、離島の振興などを巡りそれぞれの政策を訴えた。クロス討論では、西銘氏が「オール沖縄」の態勢は革新勢力が主導していると指摘したのに対し、金城氏は自民党政権下で起きた政治と金を巡る問題について認識を問うなど、議論を交わした。(文中敬称略、’21衆院選取材班)


<クロス討論>

Q 地位協定改定求めない真意は → 西銘氏 実情に沿い見直し

―米軍による事件・事故が頻発する沖縄において問題を放置し、日米地位協定改定を求めず、県民生活より日米同盟を優先する真意は。

 西銘 基本的には、自分の国は自分で守ることだと認識はしているが、現実的には、日米同盟を基軸に連携することが不可欠と考える。日米地位協定はこれまでに都度運用改善がなされており、これまで通り、実情にあった、見直し、改定することが望ましい。

―長期政権のおごりから前宮古島市長、参院広島区、カジノ汚職など贈収賄事件が頻発。説明も反省もしない党の体質をどう考えるか。

 西銘 お金にまつわる政治は、絶対ダメだと認識している。説明、反省、責任については、個々人の問題であり党の体質うんぬんではなく、関係ないと認識している。
 

Q 革新が政治勢力主導していないか → 金城氏 保守の信念を貫く

―保守を掲げる金城氏の政治勢力は革新勢力が主導していないか。保守系議員の離脱も相次ぐが、保革合同のオール沖縄と言えるのか。

 金城 翁長前知事誕生の流れのなかオール沖縄結成に携わってきた。その過程で保守政治家としての信念を貫き、結果として自民党を除名された。自民党本部におもねり、県民との約束をほごにする自民議員の政治姿勢は理解に苦しむ。オール沖縄は腹六分・腹八分の精神で、保守から革新まで県民の「ちむぐくる」を受け止める存在だ。多くの県民が支えてくれていることを心から感謝している。

―立憲民主党枝野幸男代表は政権を取れば普天間代替施設の工事を止めると言うが代案を示してない。また辺野古回帰にならないか。

 金城 沖縄の基地負担は過重すぎる。海兵隊の運用を見直し、全国に分散配置するべきだ。SACO合意から25年、安全保障環境・米軍戦略は時代とともに変わってきている。軟弱地盤の存在、2・5兆円の工事費(県試算)、完成時期も見通せない辺野古新基地建設に固執していては、普天間の返還を遅らせるだけだ。日米同盟が地域の平和と安定のために不可欠であるならば、沖縄の声を聞くべきだ。


<訴えたいこと>

活力ある南部、離島

 西銘 ニシメチャレンジ4本の柱。(1)県民の命と暮らしを守り抜く(2)活力ある南部、離島産業を創る(3)世界を目指す人材育成、教育立県沖縄の実現(4)力強い外交、防衛で権益を守る―を柱として、安全安心で暮らして良かったと実感(わくわく)できる沖縄を実現していく。

子の貧困断ち切る

 金城 新型コロナから命と暮らしを守り抜く。県民所得アップ、消費税5%減税、分配と成長で沖縄経済を立て直す。子育て・教育へ手厚い支援、子どもの貧困連鎖を断ち切る。宮古・八重山の離島振興、物流コスト低減。建白書の理念を守り、辺野古新基地建設は認めない。