FC琉球8試合ぶりの勝利 喜名監督の初陣飾る 随所に鬼気迫るプレー 第35節


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 サッカー明治安田J2第35節第2日の24日、FC琉球は長野県のサンプロアルウィンで松本山雅FCと対戦し、2―1の逆転で8試合ぶりの勝利を手にした。喜名哲裕新監督の初陣を白星で飾った。16勝12敗7分けで勝ち点55、順位は8位のまま。前半は互いにチャンスをつくったが、0―0で折り返した。後半は開始早々に松本に先制点を奪われた。琉球は27分にコーナーキックから金井貢史が頭で決めて1点目、風間宏希が33分に2点目を奪い、逆転に成功した。次戦は30日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでFC町田ゼルビアと対戦する。

 FC琉球は喜名哲裕新監督の船出となる試合で選手が奮起、8試合ぶりの勝利を手にした。カウンターを受けた危機の場面では、けがから復帰の李栄直(リ・ヨンジ)や福井諒司が激しいスライディングタックルを仕掛けた。ボランチの富所悠や風間宏希は中盤でボールを奪われると、自らすぐに奪い返すなど鬼気迫るプレーを見せた。

 後半序盤の失点で嫌な空気が漂ったが、パス回しでボールを保持し主導権を取り戻し後半、立て続けに2点を奪い逆転に成功した。

 コーナーキックから頭で合わせ同点弾を決めた金井貢史は「きよ(清武功暉)からのボールがよくて、気持ちで押し込んだ。甲府で全然出場機会のなかった僕を樋口靖洋前監督がチームに呼んでくれたのに結果を残せず、責任を感じていた。残り7試合、これまでの悔しさをぶつけていきたい」と思いを込めた。

 中川風希は試合開始直後から果敢にシュートを放った。惜しくもゴールポストをかすめたが、「なかなか出られない時期が続いていた。自分らしくやってこいと喜名さんから言われ、気が楽になった」と積極姿勢を前面に出した。「この勝利はチームとして大きい。ここをスタートに、残り7試合全部勝つ気持ちでやりたい」と順位浮上へ意気込んだ。


(2)サンアル(琉球2勝)
琉球 16勝7分け12敗(55)
2―1(0―0,2―1)
松本 7勝10分け18敗(31)
▽得点者 【琉】 金井(1)風間希(1)【松】 伊藤(3)
▽観客 6728人

戦術ずばり、決勝点生む

 喜名哲裕新監督が呼び掛けた「両サイドからクロスを入れていこう」という戦術がずばりはまった。ボランチの風間宏希には「スペースがあったら前に行けと伝えていた」。この動きから2点目につながった。監督就任会見で「変えるのは攻撃。よりゴールに向かう」という言葉を体現した形だ。

 敵将の名波浩監督は「ボランチが縦や左右のパスで揺さぶってくると分析していたが、戦術を変えていた。最終ラインの背後への意識が強かった」と言う。クロスボール対応への戸惑いがあったと試合を振り返った。

スタイル貫けた

 喜名哲裕監督(FC琉球)の話 よりゴールに向かって攻撃的にいくというテーマに沿って、選手たちがプレーしてくれた。(後半開始早々の)あの時間帯の失点はいただけなかったが、慌てることなくスタイルを貫けたことが勝因になった。守備もコンパクトにできた。