数え97歳の「カジマヤー」地域挙げ祝う 島で生まれ育った2人 元気の秘訣は「農業」


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パレード後、村役場での贈呈式で記念写真に収まる小嶺トシさん(右)と新垣春さん=14日、渡嘉敷村役場

 【渡嘉敷】沖縄県渡嘉敷村で10月12日「旧暦9月7日」のカジマヤー(数え97歳)祝を迎えた住民の新垣春さん(96)(屋号=伊利元・イリームトゥ)、小嶺トシさん(96)(屋号=東久米元・アガリクミムトゥ)のカジマヤー祝パレードが村主催で14日、渡嘉敷区集落内で行われ、地域挙げて長寿を祝福した。

 カジマヤー衣装の本人や家族が乗車したワンボックスカー2台でパレードがあり、風車を手にした多くの住民らが長寿にあやかろうと沿道に繰り出した。2人は住民の祝福に車内から笑顔で手を振って応えた。その後、村役場で祝金などの贈呈式があり、座間味秀勝村長が「村の誇りです。ますます若々しくお元気で過ごされることを祈ります」と祝辞を述べ祝金を2人に手渡した。また、同村社会福祉協議会の新垣一典会長から記念品が贈られた。

 例年、村主催の祝賀会を村中央公民館で盛大に開いていたが、コロナ禍で昨年に続き中止となった。

 春さん、トシさん共に1925年、渡嘉敷村渡嘉敷区で生まれ育った。春さんは、故幸亀さんとの間に子ども7人、孫13人、ひ孫10人に恵まれ、長男の一典さん(69)夫婦と一緒に本家で暮らす。長寿の秘訣(ひけつ)は「農業をしながら島生活を楽しんでいる」と笑顔を見せた。

 トシさんは、実兄の故門元安雄さん(享年100)もカジマヤーを祝った長寿家系だ。故善次郎さんとの間に子ども3人、孫6人、ひ孫3人に恵まれ本家で1人暮らし。家から1キロ余離れた畑に通うのが日課の現役農家だ。長寿の秘訣は「野菜作りや果物作りを楽しんでいること」と声を弾ませ、この夏収穫したトウガンやドラゴンフルーツを見せてくれた。
 (米田英明通信員)