宮崎市のひなた陸上競技場で24日に開催された全国ダウン症アスリート陸上競技記録会(日本知的障がい者陸上競技連盟主催)の公式の部で、高校生200メートルに出場した県立沖縄高等特別支援学校3年の吉本海斗(かいと)さん(17)が48秒14で優勝した。100メートルは21秒19で3位入賞を果たした。
吉本さんは7月から東村の自宅や学校で練習を重ねてきた。学校は全寮制のため、起床から就寝までのスケジュールが決まっている中、早朝や放課後など限られた時間を活用した。大会参加前、吉本さんは「中学の担任や周りの人から激励の言葉をもらった。全国で走って恩返ししたい」と2冠を目標に掲げていた。
大会当日、吉本さんを指導した中原晋大郎教諭とおじの敏昭さんが会場で応援した。吉本さんは「悔しい気持ち半分、うれしい気持ち半分。緊張せず楽しめた」と話した。
大会は障がい者スポーツへの理解と関心を深め、陸上競技の幅広い普及を図ることが目的。ダウン症の選手はこれまで知的障がいの部門でエントリーしていたが、ダウン症に限定した大会を新設し、初開催された。国内のダウン症競技者を対象とし、小学生から一般まで出場した。開催部門は「公式の部」「チャレンジの部」「オンラインの部」の三つ。