宮古島市議選は与党倍増 衆院選4区への影響は? 西銘陣営、引き締め図る 金城陣営、追い風を期待


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(左から)手を振り支持を訴える西銘恒三郎氏=23日、宮古島市。手を振り支持を訴える金城徹氏=22日、宮古島市

 24日に投開票された宮古島市議選で、1月の市長選で勝利した座喜味一幸市長を支持する与党が改選前から倍増となる10議席を獲得した。31日投開票の衆院選沖縄4区の前哨戦とも位置付けられた同市議選。前回、2017年の衆院選では自民前職の西銘恒三郎氏が、宮古島市で相手候補に大差を付け選挙区全体の勝利に結び付けた経緯もあり、今回も4区の勝敗の鍵を握る地域として注目されている。座喜味市長は衆院選で立民新人の金城徹氏を応援しており、金城陣営は今回の結果を衆院選への追い風と捉える

 ただ今回の与党系への得票が金城氏に流れるかは不透明で、西銘陣営は影響は限定的だとの見方を示している。前回衆院選では宮古島市で西銘氏は約1万8千票を取り、相手候補を約8千票上回った。4区全体での差は約6千票で、西銘氏は宮古島市での得票差で勝利した格好だ。

 今回の市議選で野党は定数24のうち12議席を獲得したが、改選前から7議席減らした。少数与党は変わらないが与党の躍進を印象づけた。

 市議選から一夜明けた25日、与党議員の一人は街頭に立ち「与党倍増の勢いを衆院選へ」と金城氏への支援を訴えた。金城陣営関係者は「市議選での組織力を衆院選に持っていけば、宮古では五分五分か逆転するとみている」と意気込む。

 ただ市議選の与党の得票が、金城氏の得票に結び付くかは見通せない。元自民議員の座喜味市長を支持する保革共闘の「ワンチームみゃーく」は「県政や国政ではなく、あくまで市政刷新の下で集まった」(市政与党保守系幹部)。

 西銘陣営関係者は前回衆院選ほどの票差は付かないとしつつ、与党内には保守系議員も多いと指摘。「座喜味氏を支持するからといって、革新色が強くなった『オール沖縄』の金城氏に票が流れるかは疑問だ。市政運営では国政の力が必要だ」と強調する。

 一方、宮古島市では別の不確定要素も存在する。沖縄1区で出馬する無所属前職の下地幹郎氏の存在だ。同市出身の下地氏は、強い影響力を持つ。

 今衆院選を前に、下地氏は自民復党を目指す動きを展開。その動きに呼応するかのように自民党宮古支部は昨年11月、自民県連に復党を要請するなど、復党を認めないとする県連の方向性とは別の動きも見せた。

 西銘氏は下地氏復党に反対の立場を取っていることから、下地氏を支持する保守票の流れも不透明だ。今回の選挙でも宮古島での得票は衆院選の行方を左右しそうだ。
 (中村優希、佐野真慈)