沖縄に漂着した軽石の除去方法は?行政がすべきことは? 専門家に聞いた


社会
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 漂着する軽石をすぐに除去することは難しい。塩分を含んでいることから、簡単に埋めて処分することができず、費用をかけて粉砕するには量が多すぎる。時間の経過とともに粉々になって小さくなり、砂のように海底に沈積することでサンゴや魚といった生態系への影響も懸念される。

 軽石が流れる道筋は、衛星写真などで把握することができる。水面に浮かんでいるので、オイルフェンスなどを使って軽石の漂着先をコントロールすることは可能だ。漁業などに使われていない入り江に集め、そこから少しずつ取り除いていくなどの対処法がある。

 今後、冬に向けて風向きが北西風になれば、西海岸にもさらに流れてくる可能性は高い。一方で北西風になることで現在黒潮に乗っている軽石が太平洋側に流れていくため、漂着が終わる時期がある程度見えてくる。年内が一つのめどだと思う。

 漁業や観光への被害が予想される。自然災害なので、行政がしっかり対応するしかない。国主導では、時間がかかる。県がプランニングして国に支援を求める形で引っ張るべきだ。被害の想定を早めにシュミレーションし、補助制度を早く創設することで事業者を安心させることが重要だ。新型コロナウイルスの影響で弱っている事業者も多い。状況把握と救済措置を早期に展開する必要がある。

 (海洋政策)