豊かな川も灰色に一変 鯉のぼり祭りで有名な国頭村奥川


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大量に押し寄せた軽石で覆われた奥川下流域=28日午前10時半ごろ、国頭村奥

 【国頭】沖縄県内各地で大量に漂着している軽石の影響で、豊かな自然が広がる国頭村奥の景色が灰色に一変した。28日までに奥川や漁港に大量の軽石が押し寄せ、地元漁師が2週間ほど漁ができない状態になるなど被害が出ている。

 奥川は小魚やエビなどが泳ぎ、子どもたちが川遊びを楽しむ場。例年ゴールデンウイークには鯉のぼり祭りが開かれる。

 28日午前、集落前や河口付近は軽石が滞留し、水面がほとんど見えない状態になっていた。

 地元住民からは生物への影響を心配する声も上がる。宮城一剛区長は「早く元に戻ってほしい。県などが一日も早く除去などに向けて頑張ってほしい」と訴えた。

 漁港にも軽石が滞留し26日、地元住民が自主的に回収作業を実施した。地元漁師の宮城康広さん(39)は出漁できず、軽石の除去作業に追われているという。

 軽石は宿泊施設「奥やんばるの里」付近まで漂着した。施設の管理運営に携わる仲本いつ美さん(34)は「軽石を活用したイベントや地域づくりなどを考えていきたい」と前を見た。