島が孤立の危機…港に軽石滞留で船運航できず 沖縄・久高島


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軽石(手前)が大量に滞留する久高島の徳仁港=27日、南城市知念久高(小型無人機で撮影、テクノ・スクエア提供)

 【南城】沖縄県内各地に漂着している軽石は、南城市・久高島の海にも到達し、住民生活に影響を及ぼしている。同市知念安座真―久高島間のフェリーと高速船を運航する久高海運は28日、定期船が着岸する徳仁港に軽石が大量に滞留したため、午後の便を中心に欠航を決めた。エンジントラブルを防ぐためという。29日は港の様子を確認して、早朝に運航するか判断するとしている。同社は「軽石を除去しない限り、運航は難しいかもしれない」と困惑する。

 久高島の定期船は生活物資や沖縄本島への通勤、通学など、島民には欠かせない生活路線。久高島在住の西銘喜久さん(63)は「台風が接近時は前もって準備していたが、軽石の漂着は急だった。仕事に使う燃料や生活物資など何も備えていない。欠航が長くなれば仕事や生活に影響する」と不安がった。

 久高区は27日、コンピューターソフトウエアの開発企業のテクノ・スクエアと協力して、島に漂着する軽石をドローン(小型無人機)で撮影した。写真には徳仁港に軽石が大量に滞留している様子が確認できる。外間長裕久高区長は28日、市役所を訪れ、ドローンの写真と共に軽石の現状を市に報告した。外間区長は「島民が安心に暮らせるよう軽石の早期除去を求めた。軽石が少ない近くの漁港に高速船が着岸できるようにお願いした」という。市は同日、定期船の長期運休に備え、非常食1600食分を久高島に運んだ。

 南城市議会の2会派は同日、瑞慶覧長敏市長に沿岸に漂着、浮遊する軽石の撤去作業などを求めた。瑞慶覧市長は「情報収集しながら県や国と連携して早急に対応していく」と述べた。