衆院選沖縄2区 浮動票取り込みに注力 <最終盤戦いの焦点>


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 衆院選は30日、選挙戦の最終日を迎える。31日の投開票に向けて、各陣営とも支持固めや無党派層の獲得に選挙区内を駆け巡る。名護市辺野古の新基地建設計画や新型コロナウイルス対策などを争点に、各候補者が激しい舌戦を繰り広げる。各区とも辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」候補と、政権与党で公明が推薦する自民候補がせめぎ合う構図で、1区では無所属前職も加えた三つどもえの戦いが展開される。選挙区の戦いのポイントや各陣営の投票率の見立てなどをまとめた。(’21衆院選取材班)

 沖縄2区は自民前職の宮崎政久氏とNHK党新人の中村幸也氏、社民新人の新垣邦男氏、維新新人の山川泰博氏が浮動票の取り込みを図っている。各政党幹部も選挙区入りするなど、運動が活発化している。

 2区は有権者約9万1千人の浦添市と約7万8千人の宜野湾市で、全体約29万5千人の6割弱を占めている。各候補は、選挙戦終盤に入って以降、有権者の多い両市に重点を置いて演説などを展開している。

 宮崎陣営と新垣陣営はともに事実上、互いの一騎打ちと想定。今回の投票率は、2017年衆院選の56.06%を下回ると見込む。

 宮崎陣営は投票率を55%弱と想定し、当選ライン約8万票と算出。企業への支持呼び掛けを続けながら、市部で若年層と浮動票の獲得を狙う。米須義明後援会長は「8万3千票を目指している」と語った。

 投票率55%で当選ラインを8万5千票と想定する新垣陣営。2市を中心に移動や演説の回数を増やしている。宮城一郎選対事務局長は「社民前職の前回獲得票数に近い9万票を目指す」と述べた。

 山川陣営は投票率を約53%と想定し、5万2千票を目指す。自転車で回って浸透を図るほか、インターネットでの発信にも取り組む。上原弘安事務総長は「若年層からの支持を積み上げたい」と語った。

 中村氏は手振りのほか、ツイッターなどインターネットを通じて情報を発信している。