焼失から2年 首里城公園で消防訓練 「首里城と地域の安全守る」


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消火訓練で首里城公園内の世誇殿に放水する消防隊員ら=31日午前5時55分ごろ、那覇市

 首里城焼失から2年が経過した31日、沖縄美ら島財団と那覇市消防局は首里城公園内の「世誇殿(よほこりでん)」を出火現場に設定し、合同で消防訓練を実施した。夜間と日中の火災をそれぞれ想定し、避難者なども含めて関係者約250人が参加した。首里城公園の自衛消防隊と消防職員との役割分担や通報態勢、進入経路などを確かめた。

 まだ暗闇が辺りを覆う午前5時半ごろ、焼失した首里城正殿の奥にある世誇殿で火災報知器がけたたましく鳴った。自衛消防隊が初期消火に当たり、約9分後に最初の消防隊が到着。久慶門など別経路からも続々と消防隊がやってきて、4本のホースで放水した。飛び交う無線の声や走る消防隊員で現場には緊張感が漂っていた。

 市消防局の消防隊31人と市消防団8人、自衛消防隊7人が消火活動した。日中を想定した防災訓練では消火のほか、避難誘導やけが人の救護も行った。訓練を終えた市消防局の島袋弘樹局長は「首里城を中心に地域の安全に寄与しなければならない」とあいさつした。

 沖縄美ら島財団によると、首里城が焼失してから毎月、防災訓練をしている。今年の合同訓練は昨年と異なる出火場所にし、場所や状況に応じた進入経路や配置位置などを確認した。今回は混線する無線態勢に課題が残った。沖縄美ら島財団の湧川盛順常務理事は「首里城復興へ向けて工事が進む。変化に応じた防災対策を取っていきたい」と決意を述べた。