玉城知事「お膝元」で「オール沖縄」敗北 どうなる?県内政局


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衆院選の結果を受け認識を述べる玉城デニー知事=1日、沖縄県庁

 名護市辺野古の新基地建設反対でまとまる「オール沖縄」候補と、政権与党の自民候補が対峙(たいじ)する構図となった今回の衆院選で、自民が3区の議席を奪還した。県内選挙区全体の戦績は2勝2敗の五分だが、「オール沖縄」側が名護市を選挙区に持つ3区を落とした影響は大きい。来年1月の名護市長選に向け、体制の立て直しは避けられない。今選挙は来年の県知事選の前哨戦とも位置付けられており、玉城デニー知事の「お膝元」での敗戦で知事の求心力の低下は必至だ。

 3区は当初「オール沖縄」候補が優勢とみられていた。玉城知事は同区を重点区に位置付け、頻繁に選挙区入りしてこ入れを図ったが逆転を許した格好だ。保守・経済界が相次いで離脱した「オール沖縄」の衰退を浮き彫りにした。

 一方の自民側にとっては知事選での県政奪還に向け、弾みをつける結果となった。「辺野古反対」の民意を覆す結果と捉え、攻勢を強めるとみられる。ただ、4区は大臣に就任した前職が立民新人に苦戦するなど支持基盤を盤石に固め切れたとは言えず、自民側も組織の再構築が迫られそうだ。

 1区に出馬した無所属前職の下地幹郎氏の自民党復党を目指す動きと絡み、自民県連と一部経済界に溝が生まれた。しこりをどのように解消していくのかが自民側には問われる。また今後の各種選挙で、自民、公明が今回と同様の強い連携が図れるかも焦点となる。

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