【記者解説】衆院選沖縄4区 西銘氏の勝因、金城氏の敗因は?


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当選の弁を述べる西銘恒三郎氏=31日午後11時34分ごろ、南風原町兼城の選対本部

 沖縄4区は、自民前職の西銘恒三郎氏が立民新人の金城徹氏との激しい一騎打ちを制し、6期目の当選を決めた。西銘氏は新政権で沖縄担当相として初入閣した現職大臣への期待感を強みに、保守・中道の支持基盤をしっかりと固めた。金城氏は政権交代への期待や保守支持層の切り崩しで迫ったが、届かなかった。

 保守地盤の4区だが、前回の衆院選後、選挙区内5市のうち4市で「オール沖縄」勢や非自民系の首長が誕生する地殻変動が起きている。前回は西銘氏が相手候補に8千票差をつけた宮古島市でも市政交代があり、西銘陣営には難しい選挙戦となった。

 一方、重点区域の南風原町で町長の支援を受けるなど、過去選挙で劣勢だった本島南部で支持を広げて全体をカバーした。沖縄の復帰50年を控えた時期の大臣就任を前面に打ち出し、投票日が近づくにつれて公明とのセット戦術や企業の支援が活発化していった。

 金城氏は保守の立場からの「オール沖縄」参加を強調して支持拡大を狙い、玉城デニー知事と離島回りをこなすなど浸透を図った。一方で、短期決戦で4区での知名度の低さがネックとなった。
 (中村優希)


初心忘れずに現場へ 西銘氏

 公務をこなしながらの選挙戦で心配をかけたが、皆さん(支持者)の力が総結集されたと感じた。特に、前回3千票差で負けた南風原町では(得票数が)8千票を超え、びっくりしている。初心を忘れず現場に出向き、市議会、県議会、国会で連携し、良い形で超短期の決戦ができた。前回よりも票が開いていきそうな勢いだ。一人一人の積み上げのたまものだと、心より感謝している。これで落選しそうな大臣から外れた。島尻安伊子さんも当選し、沖縄の未来に向かって勢いがつくものだと思う。頑張りましょう。

オール沖縄訴え 後退していない

 金城徹氏の話 当初から知名度不足が指摘され、私自身も感じていた。多くの協力で一定程度、進んでいると感じていたが、進んでいなかった。大きな敗因だと思う。「オール沖縄」の訴えへの理解が足りなかったことはない。訴えが後退したという思いはない。