【記者解説】衆院選沖縄1区 三つどもえの戦い、赤嶺氏の勝因は?


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当選の弁を語る赤嶺政賢氏=31日午後8時11分ごろ、那覇市泉崎の選対本部

 前職3人による三つどもえとなった1区は前回、前々回に続き、共産の赤嶺政賢氏が勝利を収めた。政党色を薄め、政権に対峙(たいじ)する「オール沖縄」候補だということを前面に押し出し、自公政権に批判的な層を確実に取り込んだ。

 那覇・南部離島区選出の「オール沖縄」勢の全県議が共同代表に就任するなど、前回より国政野党間の協力態勢を強め、革新系を中心とする支持層を盤石に固めた。「オール沖縄」から経済関係者の離脱が続いたことで保守・中道層離れが懸念されていたが、無党派層に着実に浸透した。

 自民前職の国場幸之助氏と無所属前職の下地幹郎氏は保守分裂による票の分散を乗り越えられなかった。

 国場氏は従来よりも連携を強めた公明支持層を手堅くまとめた一方で、自民支持層の一定程度が下地氏に流出した。自民復党を目指していた下地氏との対立構図が強まり、支持基盤の経済界の動きが鈍かったことも響いた。無党派層への浸透も限定的だった。

 下地氏は複数の有力企業の支援をてこに国場氏から企業・保守票を切り崩す戦略を進めたが、大勢は覆せなかった。
 (大嶺雅俊)


自民政治行き詰まり 赤嶺氏

 「オール沖縄」への県民の信頼が、草の根のかなり奥深くで広がっていると手応えを感じた。自民党政治の行き詰まりを実感した。民意を無視する政府への怒りが結果につながったと思う。県民の思いに感謝したい。「オール沖縄」は弱くなった、と選挙前にしきりに言われていたが、その言われ方に大きな違和感があった。それを具体的な勝利という形で証明した。これで「オール沖縄」をさらに強く大きく、『イデオロギーよりアイデンティティー』の原点に立って、辺野古中止のため、これからも頑張っていきたい。

沖縄のために人生をかける

 国場幸之助氏の話 必ずや選挙区で勝利する、沖縄のために、日本の未来のためにと、強い決意と信念で臨んだ。心からの感謝とおわびをしたい。選挙戦で訴えた沖縄から日本を変えていきたいとの決意と信念は全く変わっていない。全力で人生をかけて取り組む。

立候補した意義 十二分にあった

 下地幹郎氏の話 沖縄の政治の在り方を考え前に進む。厳しい結果だが立候補した意義は十二分にあった。国場幸一氏が掲げた(保守合同の)旗は道半ばだ。この旗が正しかったことは証明される。貫かなければならない。私は必ず政治のど真ん中に行く。