沖縄最古の赤瓦、50年ぶりに公開 首里城の瓦の変遷も紹介 壺屋焼物博物館


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首里城復興応援企画の展示会で、14~15世紀の首里城の瓦について学芸員(右)から説明を聞く来場者=2日、那覇市の市立壺屋焼物博物館

 那覇市制100周年記念事業、首里城復興応援企画として、沖縄の瓦の歴史を紹介する特別展「うちなー赤瓦ものがたり」が2日、那覇市の市立壺屋焼物博物館で始まった。首里城の瓦の変遷を紹介しているほか、製造年が分かる県内最古の赤瓦を約50年ぶりに一般公開している。

 琉球で作られる瓦は17世紀までドーム状の「平窯(ひらがま)」で焼く灰色の瓦が主流で、18世紀に登り窯で焼く赤瓦へ転換していったと考えられるという。県内最古の赤瓦は1738年に作られたと記されており、少なくとも同年には赤瓦が作られていたことが分かる。1960年代末に壺屋の民家を解体した際に見つかった。

 学芸員の倉成多郎さんは、首里城跡で赤瓦も灰色の瓦も出土していることや、新築する際も古い瓦を再利用することなどから「首里城の屋根はいろんな色調の瓦が混ざり合っていたはずだ」と指摘した。「再建される首里城の瓦の色に関する議論は活発ではないが、沖縄の瓦の複雑な歴史を紹介することで、少しでも興味を持ってほしい」と話した。

 特別展では17~20世紀の中国皇帝、朝鮮国王、天皇家、徳川将軍家、薩摩藩主島津家の瓦も展示している。

 特別展は12月26日まで。観覧無料。関連イベントも計画している。問い合わせは同博物館(電話)098(862)3761。