「コロナから古里を守りたい」 宮古工高生ら消毒噴霧器を制作、市に寄贈


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
宮古工業高の2年生が製作、寄贈したアルコール噴霧器

 【宮古島】沖縄県宮古島市平良下里にある市役所玄関口で、地元の高校生たちの「コロナから古里を守りたい」との思いが訪れる人を出迎えている。10月25日から市役所正面玄関に設置された消毒アルコール噴霧器は県立宮古工業高校自動車機械システム科の2年生が製作し、寄贈した。10月19日、座喜味一幸市長にスタンドを手渡した生徒らは「地域の人たちの助けになればうれしい」と声をそろえた。

 噴霧器は2年生の23人が夏休み中から試作を繰り返して完成させた。足踏みペダル式のスタンドで、手を使わずにアルコール消毒ができる。生徒らは市役所の他に市内全中学校などにも寄贈する予定。

 同校では新型コロナの影響で、生徒たちの活躍の場が少なくなっていることも踏まえて、学校活性化を目的に(1)母校に恩返し(2)地域に恩返し(3)地域の工場になろう―の三つのプロジェクトに今年度から取り組んでいる。アルコール噴霧器寄贈の他、電気コンセント改修や公園用の鉄棒製作などさまざまな「恩返し」計画を進めている。

 19日、生徒を代表して市役所を訪れた宮里隆吾さん(16)、仲間翔さん(16)、下地恵太さん(17)から噴霧器を受け取った座喜味市長は「とても上等。自分たちの専門性を生かして地域に恩返しをするという考えが素晴らしい。ありがたく使わせていただく」と喜んだ。

宮古工業高生からアルコール噴霧器を受け取った宮古島市の座喜味一幸市長(前列左から3人目)=10月19日、宮古島市役所