照屋副知事「MICE計画、年内公表」 東海岸推進協に初の明言


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 与那原町と西原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区で沖縄県が進める、MICE(マイス、企業の報奨旅行や国際会議、展示会などの総称)を開催できる大型施設の基本計画について、照屋義実副知事は5日、「年内の遅くない時期に公表できると思う」と述べた。同日、東海岸地域サンライズ推進協議会の要請の席上で明らかにした。県幹部が年内公表を明言するのは初めて。

大型MICE施設基本計画の年内公表を求める要請書を照屋義実副知事(中央)に手渡す東海岸地域サンライズ推進協議会の照屋勉会長(左から2人目)ら=5日、県庁

 基本計画は当初、2020年度中の策定、公表を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で、MICE需要や市場動向などの再調査が必要となったほか、調査を実施する県外の委託業者が渡航自粛などで沖縄に来られない状況があり、遅れが生じていた。

 サンライズ推進協議会は照屋副知事に対し、基本計画の年内公表を求める要請書を手渡した。要請には、協議会会長の照屋勉与那原町長と、西原町の崎原盛秀町長、中城村の浜田京介村長、北中城村の比嘉孝則村長が出席した。

 照屋会長は「翁長雄志前知事がMICE建設を決定してから6年が経過し、住民からは『もうできないのではないか』との声が上がっている。一日も早く基本計画を公表し、住民を安心させてほしい」と要望した。

 出席首長が相次いで懸念を表明する中、照屋副知事は「近隣市町村からの失望感を期待感に変えたい」と述べた。

 県は基本計画で、MICE施設の周辺に、ホテルなどの誘致も計画している。県はこれまでに調査費と土地購入費を合わせ計約72億1千万円を計上している。