サッカーの第100回全国高校選手権県大会は6日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで準決勝を行い、西原が6―2で浦添を破り、宜野湾が4―0で那覇西を下して決勝に進出した。決勝は13日午後1時5分から南風原町の黄金森陸上競技場で行われる。優勝校は全国選手権(12月28日~2022年1月10日、東京ほか)に県代表として出場する。一般入場も可能で入場料は500円、小学生以下は無料。
西原 座覇、猛攻の口火切る
西原は前半で4得点とすさまじい攻撃力を発揮し、浦添を圧倒した。開始13分で雷雨に見舞われ、試合は2時間半近く中断。それでも西原イレブンの集中力は途切れなかった。
FW座覇駿が、再開してすぐに電光石火のゴール。右からのショートパスを中央で直接蹴り込み、口火となる先制点で勢い付いた。 5月の県高校総体ではセンターバックを務めた。中盤もこなせるオールランドプレーヤーで、「チームに足りない決定力不足を補いたい」とFWへの転向を監督に願い出た。「守備が嫌がる動きも熟知しているし、裏に抜ける動きを狙っていた」ときっちり役目を果たした。座覇は終盤にもチームの4点目を奪い、呉屋彰乙とともに、2得点を奪う活躍だった。チームは課題だった得点力不足に夏から取り組み、強化してきた。
去年は2年生主体のチームで決勝まで進んだが、那覇西に1―3で敗れた。おのおのが成長した姿で再度、決勝の舞台に立つ。玉城俊輔主将は「攻撃陣が得点を取れるようになり、縦への速いサッカーも展開できている。ベンチメンバーやけがをしている選手の分も走り、結果で恩返ししたい」と頂点に挑む。
(大城三太)
宜野湾 プレス緩めず、強豪突破
宜野湾は守備陣からのパス回しでゲームを組み立て、チームとしての高い技術を見せた。強豪・那覇西に得点を許さず、4得点を積み上げた。
平良隼主将が中盤で存在感を示し、2アシストと攻撃の核となった。那覇西に攻められ続ける苦しい時間帯では、守備でチャンスの芽をつぶした。GK山内玲音は思い切りのいい飛び出しや、ボールへの素早い反応でピンチを防いだ。
苦い教訓が生きた。準々決勝の興南戦は2―0から残り10分で同点に追い付かれ、延長戦へ。延長前半に1点リードされたが後半に2点を奪い、何とか逃げ切った。この日は最後まで油断や隙を見せなかった。最後まで前線からのプレスを緩めず徹底した。
左サイドバックから攻撃にも積極参加し、先制点につながる流れをつくった稲嶺諒は「高校で選手を引退するつもり。最後はみんなで笑って終わりたい」。FWの屋冨祖悠斗、前代大希と連係しながら攻撃の活性化を図った。平田敦志監督は「与えられたポジションが役割じゃなく、その時その場所にいる選手が役割を果たすことが大事。選手たちがそれを体現してくれた」と手放しで褒めた。
(大城三太)