内定率99.5%、沖縄工業高が求人検索システムを開発 就職支援の岸本さん自作


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 【那覇】沖縄工業高校で就職活動を支援するジョブサポートティーチャーの岸本昌治(しょうじ)さん(64)が、独自の取り組みを次々と打ち出している。昨年は県内外の求人票2千件超の中から希望の企業を検索できるシステムを作った。今年は就職情報を掲載するウェブサイトを開設した。コロナ下で進路指導室を訪れにくい状況でもパソコンやスマートフォンから情報収集ができる。

 岸本さんは10年以上、就職情報をプリントにまとめた「就職ガイド」を定期的に発行し、生徒に配るなどしている。生徒に興味を持ってもらえるように自作の漫画も載せている。

 求人検索システムは2020年4~5月に作った。高校生の求人は7月に公開されるが、その前から前年の求人を基に情報収集をする必要がある。検索システムは職種などの条件から企業を検索できる。それまで紙の求人票の中から探していたが、検索システムで格段に調べやすくなったという。検索システムはDVDに入れて生徒に配布し、家庭で見ることができる。

 こうした取り組みもあって、コロナ下にもかかわらず同校では2020年度の就職内定率は99・5%だった。今年の3年生も検索システムを活用。10月には1~2年生向けに最新版の検索システムを配布した。

 今年6月に開設した就職情報のウェブサイトは、求人票の一覧や就職ガイドなどを見ることができる。企業の説明会などの情報も案内している。

 岸本さんは「県内は離職率が高い。最初から企業を比較しながら自分に適した仕事を探せたら、定着率の向上につながる。こうした取り組みが他の学校の参考にもなればうれしい」と話した。
 (伊佐尚記)

独自に開発した求人検索システムを示す岸本昌治さん=10月、那覇市の県立沖縄工業高校
岸本昌治さんが開設した沖縄工業高校の就職情報サイト