識者「貝塚時代をつなぐ鍵」「墓があったかも」 藪地洞穴人骨発見


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貝塚時代の人骨が発掘された藪地洞穴遺跡(うるま市教育委員会提供)

 最古の貝塚時代の人骨が見つかったことについて、識者も意義を強調した。土肥直美元琉球大学准教授(人類学)は「頭の一部という小さな部位の発見ではあるが、今後の調査では歴史をつなぐ重要なものになる」と指摘する。

 沖縄では弱アルカリ性の土壌が一般的で、人骨などがきれいな状態で保存されていることが多いという。今回の人骨も保存状態が良く、発掘範囲を広げればさらに多くの人骨の発掘につながると期待する。

 「体の骨はその時代の生活情報が分かる。より旧石器と貝塚時代をつなぐ鍵となるだろう。ぜひ調査を進めてほしい」と語った。

 新里貴之沖縄国際大学准教授(考古学)は「貝塚文化がどのように形成されてきたか、解明される日が近づいたと感じる」と話す。

 今回、人骨が出土した地層の調査範囲が狭かったため「墓があったのかもしれない。確認できれば埋葬についても分かるはずだ」と語り、調査範囲を広げる必要性を指摘する。「少なくとも土器や石器、貝製品などは出土するだろう。どのように系統的に貝塚文化につながっていくか、解明できるかもしれない」と述べた。