高校野球の秋季九州大会(第149回九州地区大会)第3日は9日、鹿児島市の平和リース球場などで準々決勝を行った。県秋季大会王者の興南は大島(鹿児島1位)に0-3で敗れ、選抜出場が濃厚となる4強入りを逃した。試合が動いたのは三回。興南は大島の先頭打者に四球を与えると連打でつながれて3失点。中盤以降ゲームは投手戦となり、スコアは動かなかった。大島の7安打に対し、興南も6安打と好機をつくったが、残塁が目立ち、追い上げには及ばなかった。来春の選抜大会の九州一般枠は4校。大島は4強入りで、選抜出場へ大きく前進した。大島は2014年に21世紀枠で選抜大会初出場を果たしている。
エース安座間 好救援報われず
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先制機をものにしたのは大島だった。三回、興南の先発・平山航多の球筋が見極められ始める。先頭の四球を皮切りに2巡目に入った大島打線に単打や犠打でつながれ、3点を奪われてしまう。なおも2死一、三塁のピンチ。マウンドで話し合うバッテリーが興南ベンチを振り返った。投手交代の合図だった。
「まずは一球一球を大事に気持ちを込めて投げた」。マウンドを継いだエースの安座間竜玖は落ち着いていた。コースを丁寧に突き、この場面を遊ゴロで乗り切った。
四回以降も伸びのある直球がさえ渡った。許したヒットは1本のみ。県大会では「毎回走者を出していたが、きょうは走者を出すことも少なかった」と反省を生かした投球が実を結んだ結果だった。
一方、打線は散発6安打。再三得点圏に進めるが、相手左腕の緩急ある投球に翻弄(ほんろう)されて逸機が目立った。我喜屋優監督は、初回に三塁打で出塁しながら、かえせなかった場面を振り返り「あそこで一気に得点していれば」と打撃に課題を残した。
選抜出場が濃厚となる4強入りを逃し、禰覇盛太郎主将は「この冬は体だけでなく、練習の質も強化していきたい」と涙をこらえ、再出発を期す。
(上江洲真梨子)