県内地銀・グループ3社(琉球銀行、おきなわフィナンシャルグループ、沖縄海邦銀行)の2021年9月連結中間決算が出そろった。経常利益の合計は前年同期比17・9%増の82億8千万円、純利益の合計は同13・9%増の49億3300万円となり、6年ぶりに増益となった。前年に琉銀が新型コロナ感染症関連で与信コストを19年比で13倍増額していた反動で、増益に転じた。
売上高に当たる経常収益の合計は、前年同期比0・1%増の605億1900万円とほぼ横ばいだった。新型コロナ関連の融資など事業性の融資を積極的に実施したことで、3社の総融資量は同3・1%増の4兆662億800万円となった。
一方で、利回りも低下しために、貸し出しボリュームの増加でも利ざやの縮小を補うことができず、利息収入は軒並み前年度を下回った。有価証券の売却益についても、海銀が前年に益出しした反動が大きいものの、全体として減少傾向にある。
本業のもうけを示すコア業務純益の3社合計は、経費の減少などで前年同期比23・8%増の84億5800万円となった。不良債権残高は沖銀、海銀ともに増額したものの、残高が最も多い琉銀が79億8300万円減少したことで同5・7%減の768億9600万円だった。
沖銀を子会社に持つ持ち株会社、おきなわフィナンシャルグループは10月に体制移行したため、中間決算はこれまでの沖銀グループの業績となっている。