琉銀、12年ぶりに減収増益 与信コスト減で大幅に増益 9月中間


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 琉球銀行(川上康頭取)は10日、2021年9月中間連結決算(対象子会社6社)を発表した。売上高に当たる経常収益は前年同期比0・6%減となる288億6400万円、経常利益は同2・1倍の47億8200万円、純利益は同2・2倍の31億5700万円で、中間決算としては12年ぶりの減収増益だった。銀行単体で一般貸倒引当金など与信コストが減少し、大幅な増益となった。

 銀行単体の経常収益は前年同期比2・7%増の193億9500万円、経常利益は同2・7倍の39億6800万円。純利益は同2・9倍の26億7700万円。本業のもうけを示すコア業務純益は同25・3%増の34億1900万円だった。

 将来の損失額を予想し算定する「フォワードルッキングな引当」で追加の与信コストが発生せず、事業者の返済再開で一般貸倒引当金が戻入するなど与信コストが減少した。琉銀が重視する、預貸金収支と役務利益から経費を差し引いた「顧客向けサービス利益」も、同7億9200万円増の24億900万円となり、利益を押し上げた。

 川上頭取は、事業者支援について「複数の債権を一本化し、返済期限を延長することで元金返済額が小さくなる。個々のお客様と相談しオーダーメード型で支援してきたい」と話し、債務の資本化も含めた提案を実施する意向を示した。

 貸出金の平均残高は前年同期比3・1%増の1兆8002億5400万円。貸出金利回りは同0・13ポイント減の1・35%だった。貸出金残高の伸び率鈍化と貸出金利の低下で、貸出金利息は横ばいで推移した。


3月期業績、予想を上方修正 経費と与信の減で

 琉球銀行(川上康頭取)は10日、5月に発表した2022年3月期通期の業績予想を連結、個別ともに上方修正した。銀行単体の中間期の業績で、経費と与信費用が当初予想を下回ったため。

 連結の業績予想は、経常収益が当初予想比0・5%減の563億円、経常利益は同13・6%増の66億円、純利益は同13・0%増の46億円。個別は経常収益が当初予想の1・6%増となる370億円、経常利益は同15・5%増の58億円、純利益は同14・3%増の42億円としている。