コロナ「集団免疫」ありうるの? 徳田医師に聞く


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 徳田安春医師(筑波大学客員教授)の話 

 集団免疫は仮説としてはあり得る。一度感染した人がワクチンを打つと効果が長期化すると言われている。沖縄のワクチン接種率は6割程度だが、自然感染がかなり広がった。検査対象が狭く行政検査が不足していた状況もあり、実際の感染者は県の発表の10倍近くいた可能性がある。

 しかし海外では、自然感染やワクチン接種の後も、時間の経過とともに免疫効果が落ちて再感染するケースがみられている。現在、この感染症では集団免疫の達成は難しいと考えられている。  仮説検証のために抗体検査は実施できればよいが、地域や職種などに偏りが出ないようランダムに実施すべきだ。ブレークスルー感染予防の抗体力価についても調査研究することが可能になる。

徳田安春氏(筑波大学客員教授)

 いずれにせよこの冬はマスク、ワクチン、換気など、対策を引き続き徹底する必要がある。早期治療のための早期診断にPCR検査ができる態勢を整えることも重要だ。政府は無症状者にも無料でPCR検査を実施する方針のようだが、沖縄でも本格的に取り組んでほしい。