沖縄県内に漂着して漁業などに被害をもたらしている軽石が、15日も各地の海岸や港で確認された。住民らが撤去をしても再び押し寄せるため、漁業関係者に不安が募っている。
浦添市のサンエー浦添西海岸パルコシティ前の砂浜には、数日前から漂着が確認された。大阪から訪れた30代男性は「自然現象だから仕方ないが、漁業や観光に影響があり大変だ」と語り、早い解決を願った。
牧港漁港も大量の軽石で出漁できない状態だ。週末にかけて重機で撤去したが、出港控えは現在も続く。漁師の比嘉猛さんは「今は軽石が除去されているが、風向きによっては数日以内にまた来る」と嘆いた。3日後には東から風が吹く見込みで、再び漂着する恐れがあるという。
宜野湾漁港は10日から漂着が目立ち、出漁を制限した。関係者らで撤去した後も再漂着の不安は拭えない。浦添宜野湾漁協の中西聡明組合長は「漁業活動に支障が出ている。オイルフェンスを張ったが心配だ」と話した。
読谷村長浜の長浜ビーチも軽石で覆われている。10月に最初の漂着が確認され、1カ月近く被害が続く。漁業協同組合の担当者は「海中の養殖網が軽石で切れたと報告があった」と話し、漁業に影響を及ぼしている。
名護市稲嶺の海岸では15日、消波ブロックの下が大量の軽石で埋め尽くされているのが確認された。一部は風に吹かれて防波堤を越えて陸地に転がっていた。
今帰仁村仲宗根の大井川では同日午後、海から流れてきた軽石が川を覆っていた。軽石の大きさは小豆程度でゆっくりと上流に向かって流れていた。