軽石を学びの機会にも 地球知る図鑑と新講座 中城・丸谷さん自然教室


社会
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漂着軽石を使った講座を開くネコのわくわく自然教室の丸谷由さん。手に持った軽石は今回漂着したもので、色の違いから軽石のでき方が分かる=17日、中城村

 子どもたちに自然体験を提供する「ネコのわくわく自然教室」(中城村、丸谷由代表)は先月から、漂着した軽石を教材に、火山の成り立ちから鉱物、潮流と幅広く自然を学ぶプログラムを始めた。座学のほか、海岸に出て軽石を拾い、詳しく観察して標本を作り、最後には軽石そっくりのお菓子も作る。

 教室では以前から浜辺に漂着する軽石を集めた講座を開いていた。丸谷さんは8月、今回の福徳岡ノ場の噴火を知るといち早く軽石を学ぶ動画を作成して公開した。漂着後は県内各地に出向いて記録や観察をしながら、軽石を入り口に地球の営みを解説する32ページの図鑑も作った。写真や手書きのイラストを多く取り入れて子どもにも分かりやすくする一方、編集には国内外の火山学の研究者らが加わり、科学的にも正確な内容とした。

 軽石にはまだ分からないことも多い。参加する子どもたちと一緒に見つけた軽石から、専門家も知らなかった事例が見つかったこともあるという。軽石の漂着はピークを越えたとみられ、もろい軽石はどんどん小さくなっていく。「こんな自然現象はなかなかないことで、この大量の軽石を見られるのも今だけだ。学びの機会に生かしてほしい」と話した。

 軽石講座の講師派遣も可能。図鑑「軽石のふしぎ」は次のサイトから購入できる。電子版950円、製本版1650円。https://onl.tw/sjjTCeM