「住民軽視」憤り 普天間つり下げ訓練の基地外への拡大に不安も 落下事故たびたび「危険」


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米軍普天間飛行場上空でつり下げ訓練をする垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=18日午後2時53分、宜野湾市内(ジャン松元撮影)

 【宜野湾】米軍普天間飛行場で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがつり下げ訓練をした18日、隣接する住宅街には長時間にわたりホバリング音が響いた。過去に部品落下事故に遭った市民らは「住民を軽視している」「基地の外でもやるのではないか」と批判した。

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 2017年に米軍ヘリからの部品落下事故が起きた宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園の神谷武宏園長(59)は「基地内とはいえ、何度も落下事故を起こしているような訓練を住宅街の近くでするのは非常に不愉快だ」と話した。「ずっと飛行音が続いていた。子どもたちの目にどう映るか。住民を軽視している」と憤った。

 17年に米軍機から窓枠が落下した普天間第二小学校の髙木丈嗣PTA会長は「子どもたちの安全を脅かす行動は極力控えてほしい」と強調する。小学校は普天間飛行場に隣接するため「隣に学校があることをきちんと理解して、安全に配慮してほしい」と訴えた。

 「負担軽減に逆行する危険な訓練だ。場所が県外なら強行できないはずだ」と怒声を上げるのは、普天間爆音訴訟団前団長の島田善次さん(81)。1965年に読谷村でトレーラーが落下し、女児が下敷きになって亡くなった事故があったことを挙げて「米軍は『基地内だから安全だ』と言うかもしれないが、許せない。今後もつり下げ訓練を繰り返し、基地の外でもやる恐れがある」と指摘した。