「島の生活脅かすな」 自衛隊演習に石垣市民、港の使用に抗議


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自衛隊による石垣港の訓練利用に抗議する市民ら=19日午後1時15分、石垣市

 【石垣】石垣市の石垣港で自衛隊の輸送訓練が行われた19日、岸壁近くでは市民ら約50人が訓練に抗議した。八重山地域の島々を結ぶ石垣港での訓練に、市民らは怒りをぶつけた。

 海上自衛隊輸送艇の入港前の午後0時半ごろ、市民らは抗議を開始した。「自衛隊の軍事演習に民間港を使うな!」「勝手に標的の島にするな」などと書かれたボードを手に持つ市民の姿もあった。約30分後に輸送艇が着岸すると「石垣港は市民のものだ」「統合演習反対」などシュプレヒコールを上げた。抗議に参加した與那原マサヱさん(78)は「訓練への説明もなく、市民をなんだと思っているのか。許されない」と憤った。

 輸送艇の着岸から約2時間半後、自衛隊員らは陸上自衛隊のトラック1台を船に積み込んだ。近くでは、離島航路のフェリーへ貨物を積み込むために働く作業員の姿もあった。

 八重山地区労働組合協議会の波照間忠議長(53)は「離島の物資を扱う民間港を軍事目的で利用するのは、島民の生活を脅かす」と指摘し、港内で働く人々に危険が及ばないか心配した。「石垣は観光がメインの町だ。ようやくコロナ禍が落ち着いてきた中、訓練で民間港を使ってもらいたくない」と訴えた。