「一度で言い出せないことも」性暴力相談、周知と体制整備の強化へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県の性暴力対策について説明する名渡山晶子県子ども生活福祉部長=10日、那覇市の県庁

 県の名渡山晶子子ども生活福祉部長に女性への暴力や、性暴力に関する県の取り組みや課題を聞いた。

―女性に対する暴力の状況は。

 「県の配偶者暴力相談支援センターは、県内の福祉事務所ほか6カ所を指定している。2020年度のDV相談件数が2092件、19年度が1942件。20年度は前年度より150件、7.7%の増加となっている」

―性暴力の状況は。

 「県性暴力被害者ワンストップ支援センターへの相談は20年度は2835件と19年度と比較すると、ほぼ倍増している。19年8月に24時間365日体制に移行し相談しやすい体制が整ったのも要因の一つかと思う」

―県の支援策は。

 「段階的に拡充している。本年度から精神医療に関する予算を拡充した。子どもは1回で言い出せないこともあり、精神医療につなぐ必要性がある。体制整備と支援内容を充実させていく」

―今後の課題は何か。

 「センターの周知を強化し、被害者の早期相談につなげたい。市町村窓口や小中高生に相談窓口のカードを配っている。被害者にも加害者にもならないため、啓発にも取り組む」