性被害、相談までに「1週間以上」6割 3割が20歳未満 沖縄県まとめ 


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 沖縄県性暴力被害者ワンストップ支援センターがまとめた15年2月の開設から21年9月末までの相談は、20歳未満が33%と最多となっている。次いで20代が21%と、29歳以下が全体の54%を占め、若年層での性暴力被害が深刻になっている。緊急避妊薬の内服は被害後72時間以内が効果的だが、72時間以内の相談は18%にとどまる。県の名渡山晶子子ども生活福祉部長は「被害者がより早期に相談につながるような体制や環境づくりが課題だ」と話す。

 被害別では強姦(ごうかん)39%(269件)、強制わいせつ22%(150件)、性虐待10%(71件)、ドメスティックバイオレンス(DV)9%(66件)などとなっている。

 相談までにかかった時間は1週間以上が最も多く62%(422件)。緊急避妊薬や加害者の証拠採取には迅速性が求められるが、被害に遭ってもすぐに相談できない人が多い傾向にある。さらに加害者との関係性は、知っている人が78%(529件)と、8割近くを占めた。

 「被害の種類」「時間経過」「加害者との関係性」は同一人物が複数の被害を受けた場合もあるため、重複する。

 県性暴力被害者ワンストップ支援センターの相談支援員は対応状況に関し、本紙の質問に文書で回答した。「相談者の状況や心情に寄り添い、心身の健康回復を第一に支援を行っていく。連絡は家族、友人、学校の先生など本人からでなくてもよく、性別や警察への被害届の有無なども問わない」とした。

 県性暴力被害者ワンストップ支援センターは、24時間365日、短縮ダイヤル♯8891、または(電話)098(975)0166で受け付けている。