壮絶殴り合い、砂辺が判定負け RIZIN沖縄初開催 県勢11人出場


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 総合格闘技イベント「RIZIN(ライジン)」が20日、沖縄市の沖縄アリーナで行われ、県勢11人が出場した。長らく沖縄の総合格闘技界を引っ張ってきた砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE)は前田吉朗(ENCOUNTER)に0―3で判定負けを喫した。南風原町出身のにっせー(チームにっせー/アローズエンタテインメント)は判定の末、古賀愛蘭(TEAM FAUST)に2―1で勝利した。メーンはRENA(シーザージム)が山本美憂(SPIKE22)を2回TKOで下した。RIZINの県内開催は初めて。


ラスト30秒 壮絶殴り合い 第一人者「沖縄を盛り上げ」
 

3R、気力を振り絞り、激しいパンチを繰り出す砂辺光久=20日、沖縄市の沖縄アリーナ(ジャン松元撮影)

 最終第3ラウンド、残り30秒。激しい攻防から尻を付いた相手に対し、砂辺光久が右手で「起きてこい」と挑発する。18年ぶりの再戦となり、旧知の仲である前田吉朗も「来いと言われていかないとかっこ悪い」と応える。立った状態での壮絶な打ち合いになり、アリーナが一気に沸いた。

 盛り上がりが最高潮のままゴングが響いた。結果は判定負けとなったが、砂辺は爽やかな表情で振り返る。「沖縄を盛り上げたかった。オレができるのはあの30秒しかなかったので」。プロ20年目。その言葉には、国内の一線で戦い続けてきた沖縄総合格闘技の第一人者としての気概がにじんだ。

 42歳となったが「まだやめない。はい上がって、またあいつ(前田)とやる」と闘争心は衰えを知らない。県内に総合格闘技がより根付いていくことも願う。「RIZINを通し、沖縄にも輝いてる選手がたくさんいることを知ってもらえたらうれしい」と笑顔を見せた。

 (長嶺真輝)


地元声援背に最後まで攻勢 にっせー、判定勝ち
 

3R、鋭いキックで攻め込むにっせー

 立った状態で圧力を掛け、度々相手を倒す。プロ8戦目のにっせーが、地元の応援を背に序盤から攻勢を続けた。後半は相手のパンチをもらう場面も目立ったが「焦りはなかった」と自身のスタイルを貫き、判定で勝ちきった。

 会場には親戚も駆け付け、初めての地元での一戦に試合前から「泣きそうだった」という。その分、勝った瞬間は目いっぱいの笑顔で「最高だった」。マイクを握り「RIZINチャンピオンを目指す」と堂々と言い切った。