自転車、48歳の中鶴が6年ぶり頂点 風読むベテラン激戦制す 沖縄県選手権


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ゴール前でスパートをかけ一気に首位に立つ中鶴友樹(中央手前)=28日、うるま市州崎(大城直也撮影)

 自転車の第36回県選手権大会は28日、うるま市州崎の特別コース(1周2.4キロ)でロードレースの9部門を行い、高校生以上の男子が出場するチャンピオン(15周)で、中鶴友樹(OKINAWA)が51分45秒947で優勝を果たした。ヤングエキスパート(10周)は南風原凛之介(沖縄国際大1年)が、シニアエキスパート(同)は宮里大悟(米須)がそれぞれ制した。

中鶴 友樹

 最終盤まで集団でもつれたが、ゴール直前のスプリントでわずかにリードを守り、中鶴友樹が6年ぶりに県選手権の頂点に立った。2位とは約0.3秒差、8位までの7人が1秒差以内に収まる激戦を制した。

 会場のうるま市では28日午前、風速10メートルを超える風が吹いた。48歳のベテランは風の影響を十分考慮し「体力や瞬発力がある高校生を疲れさせるような走り」をイメージし、レースプランを描いた。

 多くの選手が、沿道などでの練習の経験から「左側を走るくせがある」という。集団走行が続く中、向かい風の場面は風下に当たる右側に回るようにし、体力を温存した。

 折り返しのコーナーワークでは先頭付近にいるよう心掛けた。自分のペースで減速し、加速を図れるためだ。「後ろの選手は先頭よりペースを落としてコーナーに入り、追いつくために大きな力でこがなければいけない」。風を避けるため後方にいたほうがいいという自転車レースのセオリーを逆手に取った。

 最後の直線では一足先にスプリントを仕掛け、逃げ切った。「考えた通りに気持ちよく行けた」。経験に裏打ちされた駆け引きの妙が、必然的な勝利をもたらした。
 (當山幸都)