沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は11月30日、2021年(1~12月)の入域観光客数は前年比2割減の300万人になるとの見通しを示した。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年比では7割減となる。300万人は、30年前の1991年並みの水準となる。
ホテルや航空の需要予測などから、11月の観光客数は前年同月比9・9%減の34万3500人、12月は同32・2%増の43万1300人と推計した。
10月の緊急事態宣言解除後、ビジネス客が戻り始め、年末年始にかけて一般旅行客の来県も増える見通し。
一方、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が30日に国内で初めて確認されたことについて、下地会長は「国内や県内での感染拡大を想定し、連携強化に向けたアクションを早めに起こす必要がある」と述べ、県関係部局や経済界で対策会議を開く必要があるとした。
主要航空会社の計画に対する運航率は、10月は60~75%台だったが、11月は80%台、12月は90%台と回復する予定で、減便率は縮小傾向にある。成田空港発着の格安航空会社(LCC)を利用する、若い世代の需要も高まっている。
直近のホテル予約数は19年比で6割程度に戻っているという。宮古島や本島の一部リゾートホテルでは、19年以上の予約数となる施設もある。
県内の観光業界は、感染対策を取りながら、繁忙期の年末年始に向けて誘客プロモーションを展開していく。
下地会長は「県外客に沖縄滞在を満喫してもらう時期になるが、まだ予断は許さない。積み重ねてきた感染対策を改めて強化し、対応する。(オミクロン株について)現状では情報収集して、観光への影響を注視したい」と話した。
(中村優希)