12年間毎朝せっせと遊歩道を清掃 「1人1人がやればどんなにきれいになるだろう」


社会
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遊歩道の清掃活動を12年続ける崎山喜孝さん=うるま市石川前原

 【うるま】うるま市石川前原区の崎山喜孝さん(72)は地域の遊歩道の清掃が毎朝の日課だ。同区が「桜通り」と命名した約800メートル続く道を12年前からせっせときれいにしてきた。旅行業に長年携わってきたため「美観意識が強いのかも。それぞれの地域で街をきれいにするという意識を持ってもらえたら県内中がきれいになるね」と広がりに期待する。

 子どもたちの通学路に生い茂る雑草が気になったことがきっかけだった。「行政がやるべきという考えは捨てて、1人1人が小さな範囲から始めたらどんなにきれいになるだろう」。その思いで、雨の日と仕事の出張時以外は毎朝1時間の清掃を欠かさない。

 季節の移ろいも楽しんでもらおうと、グアバやアセロラ、ミカンなどの木も植えた。先日は、地域の人から「これも植えて」とライチの木の寄贈もあった。「フルーツロードと命名してもいいかもね」と笑う。

 ただ、最近は体力的に少しきつくなってきたという。健康を維持するためと前向きに捉えるものの、「さすがにずっとは難しい。みんなが意識を持って、じゃあ『次は私が』と輪が広がればうれしいな」と語る。

 観光地の沖縄だからこそ、美化活動が重要だと強調する崎山さん。「草ぼーぼー(草が生い茂る)の道路なんて恥ずかしいよね。県民の意識から変えなきゃ。まずは身近な所からきれいに」と話し、今日も清掃に向かう。

 (新垣若菜)