県酒造組合(佐久本学会長)などは3日、泡盛ツーリズムに関する事業報告会を那覇市の八汐荘で開いた。国税庁の推進事業の一環で、外国客をターゲットに、県内18酒造所が地元ホテルなどと連携して泡盛の魅力を伝える観光プログラムの開発に取り組んだ。参加者は調査などを踏まえ、新たな観光コンテンツの可能性に期待感を示した。
モニターツアーでは、酒造所見学やホテルのレストランで料理に合った泡盛を提供するなどして参加者から評価を得た。泡盛を使った調味料作り体験など、飲めない人でも楽しめる要素を盛り込んだ酒造所もあった。
参加したホテル業者からは「施設周辺には海もなく観光が弱かったが、地元酒造所とコラボすることで宿泊が伸びるという希望が見えた」といった声が寄せられた。
5年以内に沖縄に来たことがある18~69歳の台湾人を対象に実施した調査(回答数400件)では、51・3%が泡盛の「飲用経験がある」と回答した。沖縄旅行の回数が多い層ほど、台湾でも泡盛を楽しむ人が多かった。
泡盛に対して「まろやかな味わい」「カクテルに混ぜるとおいしい」など良い印象を持つ人は大半を占めた。沖縄旅行の目的として「地元の料理(沖縄料理)」と答えた人は85・5%だった。一方、沖縄で泡盛を飲まなかった人の理由として、「泡盛が飲める店を利用しなかった」と答えた人が47%と最も多かった。泡盛ツーリズム事務局は「泡盛に気付かなかったのか、飲食店のアプローチがなかったのか、改善の余地がある」と語った。
(中村優希、写真も)