在日米軍監視リムピースの頼和太郎編集長が死去 海上カヌー転覆で オスプレイの構造的欠陥も指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠
頼和太郎さん

 在日米軍の動向を追う市民団体「リムピース」の頼和太郎編集長が10日午前4時47分、神奈川県内の病院で死去した。73歳。リムピースなどによると、9日午前10時10分ごろ、神奈川県三浦市の三崎港付近で、シーカヤックに乗っていたところ転覆し、意識不明の状態で病院に搬送されたが、溺水で死亡した。

 横須賀海上保安部によると、頼さんは9日午前9時すぎに妻とともにカヤックで三崎港を出発した。同10時ごろに頼さんのカヤックが転覆し、妻が救助のために海に入った。2人で浮いていたところを近くで作業していた船が救助し、118番通報した。事故当時、近くでは11メートルの風が吹いていた。2人ともライフジャケットは着用していたという。

 リムピースは1996年12月に、沖縄を含む在日米軍に関する情報発信を開始。米軍機の飛来や艦船の寄港など、当局からの発表が限られ実態が把握しづらい情報を、ホームページ「追跡!在日米軍」で細かく掲載している。

 頼さん自身もコロナ禍前は頻繁に沖縄を訪れ、米軍機や艦船の動向を観察して米軍の戦略などをリポートし続けてきた。2012年に地元の反対を押し切って普天間飛行場に強行配備された米海兵隊輸送機のMV22オスプレイについても構造的欠陥などを指摘し、全国の講演でもオスプレイの問題について訴え続けてきた。

 リムピース共同代表の金子豊貴男相模原市議(71)は、琉球新報の取材に「知識が豊富で人当たりもよく、皆に慕われていた。反基地運動の大きな指導者を失った」と声を落とした。(當山幸都、沖田有吾、塚崎昇平)