米軍が嘉手納基地で泡消火剤放出 防衛局「非PFAS」だが「水生生物にリスクの可能性」


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米軍嘉手納基地

 米軍嘉手納基地で10日、新たに設置した消火装置の安全試験が実施され、泡消火剤が放出された。沖縄防衛局から通告を受けた県が公表した。県によると、防衛局は「非PFAS(ピーファス、有機フッ素化合物)」と強調したが「水生生物へリスクをもたらす可能性がある」と説明した。近くの排水路を封鎖し、泡をせき止めるための障壁を設置したという。

 県は放出前の午前10時半すぎに防衛局から通告を受けた。午後1時からの放出を伝えられていたが、県がツイッターで公表したのは午後4時すぎ。米軍から一般向けの公表はなかった。県は放出前に防衛局に、土壌汚染や基地外漏出の防止、泡消火剤の適切な回収・保管、成分が分かる資料の提供などを米軍に働き掛けるよう要請した。

 県によると、防衛局は「非PFAS/PFOA」と説明している。消火剤に有機フッ素化合物が一切含まれていないのか、特に有害性が指摘されるPFOA(ピーフォア)やPFOS(ピーフォス)が含まれていないことを意味しているのかは不明。

 本紙は米空軍や防衛局に問い合わせているが、10日には回答を得られなかった。
 (明真南斗)