県議会11月定例会代表・一般質問を振り返る 辺野古「不承認」に質疑集中


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 県議会11月定例会の代表・一般質問は6日間の日程を終えた。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡って、沖縄防衛局が県へ提出した設計変更申請を不承認とした玉城デニー知事の判断に対して質疑が集中した。また、今月末に岸田文雄政権が決定する2022年度の沖縄振興予算は10年ぶりに3千億円台割れとなる見込みを受け、沖縄・自民は玉城知事の責任だとして追及した。

 県は新基地建設計画に大きな影響を与える設計変更申請に対し、不承認の判断を代表・一般質問前に下し、県議会で説明責任を果たそうと努めた。

 玉城知事は大浦湾の埋め立て工事は「災害の防止および環境保全に十分配慮した計画になっているかなど厳正に審査」した結果、行政的観点から不承認としたと強調。一方、野党は、県の不承認を「政局に利用することを最優先」(沖縄・自民の大浜一郎氏)とした政治判断だったとの批判を展開した。

 一方、沖縄・自民からは22年度予算の3千億円台割れを見越して、「基地と振興のリンク」を否定する見解が示された。沖縄・自民の花城大輔氏は「党本部の要職に就く方に聞いたが、県が不承認判断をしても予算確保への影響は『全くない』と言う。ただそもそもの問題は『知事から本気度も気迫も伝わらない』からだと複数から言われた」と述べ、玉城知事に責任があるとした。

 玉城知事は「沖縄振興について、私は党派で政策や考え方の違いがあっても向いている方向は同じだと思う。同じ方向に力を合わせて、より良い未来をつくるため協力していく姿勢も必要だ」と述べるにとどめた。

 そのほか、新型コロナウイルス対策や軽石対策などでも質疑が相次いだ。
 (梅田正覚)