Rude-αさん、新曲で刻む祖母の悲しみ「意味さえ分からなかった」…沖縄戦<つなぐ戦の記憶>


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平和の礎に刻まれた曽祖父の名前をなぞるRude―αさん=6日、糸満市摩文仁の平和祈念公園(喜瀬守昭撮影)

 沖縄市出身のラッパー「Rude―α(ルードアルファ)」さん(24)が、沖縄戦を題材に平和を願う新曲「うむい」を制作した。来年のリリースに先立ち、11月27日の沖縄国際大の大学祭や12月4日の「波の上フェス」で曲を披露。沖縄戦で父を失った祖母・福地茂子さん(76)の悲しみ、慰霊の日に家族で訪れた平和の礎の光景、幼い頃の記憶などをリリック(歌詞)にした。「暑い夏にうさげた 手のひらと線香の匂い 幼い頃の僕は意味さえも分からなかった」

 戦争体験者が高齢化する中、Rudeさんは「体験者の声を生で聞くことのできた最後の世代だと思っている。これから生まれてくる子どもたちに慰霊の日や戦争への思いを伝えるために書いた」と語る。いまだに不発弾や遺骨が見つかる沖縄。沖縄の人は戦争の痛みを知っているからこそ人に優しくできると考えている。

 祖母の父はRudeさんにとって曽祖父に当たる平良徳茂さん。沖縄戦で犠牲になった。伊江島で亡くなったと聞いているが、遺骨は見つかっていない。

 Rudeさんの家族は毎年6月になると、徳茂さんの名前の刻銘されている平和の礎を訪れる。礎は「遺骨が見つかっていない曽祖父に会える場所」と言う。
 (吉原玖美子)

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