【宮古島】宮古島市平良島尻のパーントゥの里会館で11月13、14日の両日、写真展「宮古島 島尻のウヤガン」が開かれた。写真家の大城弘明さん(71)が日本復帰を間近に控えた1972年1月に撮影した作品など70点を展示し、地元を中心に多くの人が訪れた。
「ウヤガン」は、島尻集落の女性が祖先神となって現世を訪れ、集落の繁栄を祈る伝統祭事。地元の人も見ることを厳しく制限されていたことから「秘祭」として継承されていた。23年前まで行われていたが、現在は、過疎化で祭祀(さいし)を担う女性がいなくなり休止している。
来場者は「ウヤガン」祭祀の様子を楽しみ、祭祀が行われていた当時を思い起こしながら写真に写る今は亡き家族の姿をしのんだ。当時狩俣小学校から独立したばかりの宮島小学校の児童の様子や21年前に撮影した「パーントゥプナハ」などの様子も展示された。
会場を訪れた友利史子さん(59)は「祖父母の写った写真を見せていただき懐かしくもあり、ありがたい」と小学生だった当時に思いをはせた。
(佐野真慈)