米軍基地従業員から新型コロナウイルスのオミクロン株感染が確認されたことに関し、ワクチンを2回接種した米海兵隊員は来沖時に10日間の「行動制限」を受けるが、その場合でも基地内を自由に行動できたとみられることが分かった。またワクチン接種完了者は、基地内で一定の条件を満たせばマスクを外して行動することが認められていた。
ハンセンでは18日までの4日間で12月初旬に米国から来沖した海兵隊を含む158人が感染するクラスターが発生した。さらに、ハンセンの基地従業員、軍属とその家族3人のオミクロン株感染が判明している。
米軍はクラスターの陽性者がオミクロン株かどうかの分析についていまだ実施の見解を示していない。米軍の感染実態が不透明なまま、基地従業員や周辺住民は危険にさらされている。
在沖の第3海兵遠征軍ウェブサイトによると、ワクチンを2回接種した米軍関係者は、来沖時に10日間の「行動制限」を受ける。その場合でも所属する施設内全ての場所に出入り可能という。
海兵隊は17日、フェイスブックで警戒レベルを「B(ブラボー)」に引き上げたとし「ハンセンに入る全ての人は、ワクチン接種の状況にかかわらず、基地内でマスクを着用しなければならない」と呼び掛けた。
県の糸数公医療技監は18日、米軍のワクチン接種が進んだことで「基地内の行動緩和につながったのではないか」との見方を示した。一方、米軍は昨年12月から接種を始めており、時間の経過でワクチンの効果が落ちている可能性を示した。「外に出ると感染が広がる可能性がある。(措置を)強化するため要請する必要がある」との認識を示した。(知念征尚、明真南斗)